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カンボジア

カンボジアで始まったバイク便のオンラインサービス

カンボジアのバイク便のオンラインサービスJoonaak

朝日インタラクティブが運営するニュースサイト・CNET Japanにて、カンボジアで初の試みとなる、バイク便のオンラインサービスが紹介されています。

(参考記事)
歴史的悲劇が育てるカンボジアのたくましいバイク便スタートアップ – CNET Japan

ASEAN諸国ではスマートフォンなどモバイル端末でインターネットを利用する人が圧倒的に多く、カンボジアも同様です。
そんなカンボジアで2015年、20代前半の若者たちがバイク便のオンラインサービスJoonaakをスタートさせました。

Joonaakはインターネットで申し込むバイク便サービス。
JoonaakのWebサイトにある問い合わせフォームまたは電話で申し込んで見積もりを取り、バイク便サービスを利用するシステムです。
Joonaakに支払う料金は、会員料として月額5ドルに、利用回数によって変動する配送料金です。
1か月に40回までの利用の場合は1回の配送ごとに1.5ドルですが、40回以上になるとそれ以降の配送料は1.3ドルに値下げされます。

通常のバイク便サービスだけでなく、速達サービスやオプションサービスの代金引換サービスも提供しています。

Joonaakが登場するまでは、カンボジアには少量の荷物を配送する運送会社がありませんでした。
このため少量出荷が多いメーカーや小売業などは、少量出荷が難しいのが障壁となって販路が限定されていました。

Joonaakはバイク便がこのような中小企業の販路拡大に貢献すると考え、バイク便のオンラインサービスを開始したのです。
今後はスマートフォンから手軽に申し込める、モバイルアプリもリリースする予定です。
ユーザーはモバイルアプリからドライバーの配送状況を追跡できるので、信頼性が高まることと期待されます。

後進の指導にも注力

バイク便のオンラインサービスのアイデアは、JoonaakのリーダーであるKong(Jay)Soliya氏が、アメリカ留学の経験から生まれたといいます。
彼はアメリカからカンボジアに帰国したときに、自分の国におけるEコマースサービスのレベルがアメリカとは比較にならないほど低いと感じました。
そして、カンボジアの物流インフラの充実のためにバイク便サービスを思いついたのです。

しかし、大学を卒業したばかりのメンバーには事業資金がありません。
そこでJoonaakのメンバーたちは2014年、プノンペンで開かれた起業家のスタートアップイベントであるStartup-Weekendに出場。
見事に準優勝を果たすことで、ビジネスを実現させたのです。

カンボジアは人口の70%が30歳以下。
1970年代にポル・ポト政権が知識人を大量に殺戮し、30代後半の中間管理職やビジネスリーダーとなる世代が圧倒的に不足しています。
このため、20代の若者にビジネスノウハウが受け継がれていないのが現状です。
Joonaakも同様で20代の創業者メンバーがリーダーとして従業員を牽引していかなければいけません。

Joonaakには10人の配達員が働いていますが、Kong(Jay)Soliya氏は頻繁に勉強会を開催しています。
これは従業員を単なる配達員ではなく、カンボジアの将来を担うビジネスパーソンとして育てていきたいという考えがあるからです。

歴史的な悲劇によって、人口の約7割が30歳以下といういびつな人口構成になっているカンボジア。
これはビジネス環境において圧倒的なハンディキャップです。
しかしその反面、若者のパワフルでチャレンジングなパイオニア精神が活かせる環境とも考えられます。
Joonaakのように事業を起こしながら、後進の指導にも積極的に取り組む、たくましい若手リーダーが育つ土壌ともいえそうです。