将来性豊かなウガンダで起業
今回は、アフリカのウガンダでバイク便事業を経営している、伊藤淳さんをご紹介します。
伊藤さんは、外資系総合コンサルティング会社アクセンチュアでコンサルタントとして活躍していました。
しかし、アフリカから世界を変えたいという夢を実現するために、ウガンダで起業をされたといいます。
ウガンダはケニヤの西、ルワンダの北東に位置する農業国です。
砂漠が多いイメージのアフリカですが、ウガンダは降水量が多く緑が豊かな美しい国で、人口は約160万人。
赤道直下に位置しますが、標高が1190メートルの高原地帯なので、一年を通して過ごしやすい気候となっています。
もちろん強盗などもいますが、近隣国に比べれば治安は比較的安定しており、住みやすい国です。
伊藤さんがウガンダのカンパラでバイク便を始めたのは2016年のことです。
アフリカは現在急速に経済成長を遂げており、投資の対象とするために、世界中の企業が積極的に進出しています。
現在、もっとも成長著しいアフリカで、物流インフラは大きなビジネスちゃんとなり得ます。
アフリカの物流市場は未成熟ですから、アフリカ発の新たな物流プラットフォームの構築を基盤に世界へと展開できるチャンスもあり将来性が期待されるエリアでもあります。
また、ウガンダはアフリカの中でも大手外国企業の参入が多くはないため、個人投資家でも市場への参入が行いやすいといったメリットもあります。
伊藤さんはこれらの可能性を理由に、ウガンダでバイク便の企業を選んだそうです。
ウガンダには住所がなかった!
バイク便はバイク1台につきドライバーが1人いれば始められますから、初期投資が少ないのも魅力です。
しかし実際にバイク便を始めてみると、日本では到底考えられない、唖然とする事柄が次々と起こったといいます。
まず驚いたのが、ウガンダには住所というシステムがないこと!
○○ストリートなど、主要道路の名前はつけられていますが番地がないので、目的地がその道路のどこに位置するかがわかりません。
また、道路名は正式名称と通称があり、正式名称でGoogle Mapを使って探しても、正確な地点が出てこないことも多々あるそうです。
田舎に至っては道路名すら付けられておらず、○○市など地名のみというところも多いのだとか。
このような状況下で伊藤さんは試行錯誤し、現在は荷物を届ける前に電話で大きな建物など近くにあるランドマークを教えてもらって、それを目印に届けているそうです。
このほかにもウガンダの人は地図が読めない人が多く、ドライバーに地図を渡しても意味がない。
バイクの免許はお金を払えば取れるので、運転テクニックがない人が多い。
接客スキルがまったくない人が多いなどなど、さまざまなトラブルに直面します。
しかし、伊藤さんはこれらの苦労すら楽しんでいるようです。
それは、ウガンダの人たちの大らかな人間性を愛しているからでしょう。
文化や教育システムなど日本とはまったく異なる国で起業をするのは並大抵のことではないと思います。
しかし、アフリカから世界を変える物流システムを作るという夢を胸に、日々の奮闘されている伊藤さんは、非常に充実した毎日を送っているといえるのではないでしょうか。